クロガネ・ジェネシス

第24話 猛攻のキャッスルプラント
第25話 現出 "名も無き剣
第26話 変貌 逃走劇の幕開け
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第三章 戦う者達

第25話
現出 "名も無き剣



「ネ……ネル……!」
 殴られた頬の痛みで、頭がクラクラする。
 それでも何とか零児は顔を上げて、ネレスへと目を向けた。
 そして、絶句した。ネレスの右手から赤いスライムが大量に溢れ出てきている。その光景を見て、零児は3週間前に目の当たりにしたある光景を思い出した。
 ルーセリアの兵士20人あまりが、赤いスライムに飲み込まれ死んだ時のことを。
 ――やめろ
 ネレスは必死に抵抗を試みるも、自らの体から出てきているスライムから逃れる術はなく、どんどん飲み込まれていく。
 ――やめろ!
 声をあげたくても口の中から血の味と臭いが溢れてきていてとてもじゃないが声が出ない。
「クロガネくん! クロガネくうううん!!」
 ネレスの叫び声がホールにこだまする。
 ――助けたいのに……!
 体が動かない。疲労のピークだ。それに加え物理的なダメージが、零児の体を動けなくしていた。
 やがて飲み込まれたネレスは呼吸のためか顔だけをスライムから出した状態で囚われた状態になった。ネレスを生かしたまま魔力だけを掠め取るためだろう。スライムはネレスの体を飲み込んだ状態で体を変形させ、2足歩行可能な人型の形を取る。
『アアアアアアア……』
 精神寄生虫《アストラルパラサイド》の声が聞こえる。
 ネレスはもう声をあげる気力もないのかぐったりしている。その顔はどこかうつろだった。
 歯を噛み締める。憎悪に似た感情が沸き起こる。しかし、感情だけでは何も出来ない。
「ちくしょお……」
 零児はフラフラの体を立ち上がらせ、スライムを睨みつける。
 ――ここまでなのか……?
 死の覚悟なんて出来ていない。そもそも死ぬつもりなんかない。まだまだやらなければならないことがたくさんあるのだ。こんなところで死ぬわけにはいかない!
 しかし、今の自分に何が出来る?
 魔力もほとんど残っていない、疲労のせいで体も動かない、ダメージも甚大。
『ハッ……ハッハハ……ハハッ……』
 笑っているのか、それとも荒くなった息を整えようとしているのか。零児にはその判断はつかない。分かるのは、スライムが自ら作り出した口らしきところから、声を発していることだけだ。
「くっそ……くっそう……」
 目がかすんでいる。それどころかどんどん視界が白くなっていく。
 ――あいつを倒せる武器……奴の魔力を奪えるような……そんな武器があれば……。
 零児はそんな都合のいい武器など知らない。知らないがゆえに無限投影で作り出すことも出来ない。作り出せるのはあくまで形と使用用途がはっきりしているものだけだ。
 零児は膝をつく。立っているのが辛いのだ。その間も視界はどんどん白くなっていき、零児の目には何も映らなくなっていく。
「……?」
 そこで気づいた。
 何かがおかしい。
 視界が白いことがではない。視界が白くなって何も見えなくなっている。そのはずなのに、なぜか自分の手足はしっかり見えている。
 自分が身に着けている服もしっかり見えている。
 ――これは……?
 まるで自分1人だけが知らず知らずのうちに別の空間に移ってしまったかのようだ。
 やがて白1色だった空間がガラスのように砕け散る。
 そこは荒涼とした大地。赤い空。そして、零児の周囲を回転している無数の武器の数々だ。
 ワケが分からない。
 自分が何を見ているのか零児は必死に頭をめぐらせて考えたが、答えなんて出てこようはずがない。
 ――ん? アレ?
 こんな光景は知らないはず。零児は自分に言い聞かせる。しかし、同時に。
 ――なぜだ……? 懐かしさを感じる……。
 それはこの空間そのものと、自らの周りを回転している無数の武器に対してだった。
 ――俺は……これを知ってる?
 零児の周囲を回転している無数の武器。その中の1つが、目の前で停止する。
 何もかもが謎でしかないこの空間と、意味不明でありながら感じる懐かしさ。その奇妙な感覚を味わいながら、目の前で停止した武器に手を伸ばす。
 それに触れた瞬間、無数の情報が頭の中に流れ込んできた。
 武器に名はない。あるのは武器としての形、その武器の力。そして、人間には作ることの出来ない特殊な魔力剣であるという事実。それが目の前にある武器だ。
 ――この武器があれば……勝てるかもしれない!
 そして確信する。武器の形は分かった。能力も分かった。  もし、これとまったく同じものを作ることが出来れば、零児はネレスを救い、かつあのスライムを倒すことが出来る。
 この空間がなんなのかは分からない。自分が夢を見ているのかどうかも分からない。しかし、まだ生きているのなら、せめてもう1度戦わせて欲しい。
 ――大切な仲間を救うために!
 そう心に思ったとき。再びその空間はガラスのように砕け散り、古城のホールがその姿を現した。
 目の前にはネレスを取り込んだスライム。零児は膝をついている。
『ガ、ガクゴジロ! グ、グボマエ!! オブナボロボモ……ゴロズ!』
 何を言っているのかまったく聞き取れない。
 零児は冷ややかな目線を目の前のスライムに向けた。見るとスライムの人型はかなり不完全だった。
 寸胴で、足は肉の塊が這っているかのようにさえ見える。顔らしきところには口らしきものだけが形作られ、後は完全に肉の塊といった感じだった。
 その体の一部からネレスの顔が出ている。ネレスは死んでいるのか生きているのか、一目見ただけでは判別できないほど、目に力がなかった。
「お前なんかに……殺されない!」
 もう1度立ち上がる。こんなところで負けるわけにはいかないのだ。
「俺の魔力よ……俺の体よ! もう1度動いてくれ! せめてネルを……ネルを助けられるだけの力を、俺に貸してくれ!」
 零児は全身に残っている魔力を右手に集中させる。
「ネル!!」
 叫ぶ零児の声にネレスの表情がぴくりと動いたような気がした。零児は安心する。まだネレスは死んでいないことが確認できたからだ。
「俺がお前を絶対に死なせはしねぇ!!」
「クロガネ……くん」
「頼むぜ……俺の体!」
 脳裏に浮かべる「あの武器」の姿。零児が倒せるかもしれないと確信した強大な力を持つ魔剣。
「名も無き剣よ……現出せよ!」
 魔力切れ一歩手前の体に鞭打ち、零児は全身の魔力を右腕に搾り出すように集中させる。
 右腕が光り輝く。最初にその武器の先端が現れた。そして、徐々にその武器が姿を現し、1つの形になる。
 姿を見せた細長い1本の剣。零児はその柄を握る。
 それは切るための剣ではなく、突くための剣。エペ、またはフルーレとも呼ばれる先端が尖った剣の一種だ。それにしては若干太く、刃の先端から根元までらせん状に溝が走っている。
 刃の根元には石の球体があり、その球体の中心に丸くて黒い宝玉がはめ込まれている。
 長さはざっと見て1メートルほど。一般に使われる剣より少し長い。形が形だから槍としても運用できそうな気がする。
 全体から淡いグリーンの光を放っており、明らかに普通の剣とは違う。
 そして、何より驚くべきことに、まるで短剣のように軽い。一体どんな材質で刃の部分が出来ているのだろうか。刃の部分はむしろ存在していないのではないか? そう錯覚してしまいかねないほどそれは軽かった。
 零児はその剣を目の前のスライムに向けた。
『ゴ、ゴロス!!』
 ろれつの回っていないスライムは攻撃態勢に入る。左手のスライムを零児に向けて、伸ばす。そのスライムは一瞬で粘度を失い、津波のように零児に向かっていく。
 零児はまったく動じることなくその津波のようなスライムに刃を向けたまま微動だにしない。
『ババババババ!! シヲカグゴシダバ!』
 嘲り笑うスライム。しかし、次の瞬間、
『……!?』
 スライムは声無き声をあげ、驚愕する。
 津波となったスライムは零児の構えた"名も無き剣≠フ先端を中心に集まっていく。赤いスライムはスライムとしての形を失い魔力の流れに変換されている。そして、その魔力は"名も無き剣≠フ先端から、らせん状の溝を通って吸収された。
『ナ"!?!?』
「ありがとうよ……。おかげで、俺の魔力も少しばかり回復出来た……」
『ア"ア"ア"ア"ア"!!』
 未知の力に恐怖したスライムは絶叫しながら、肉の塊だったその体を変形させた。全身を薄く延ばし、零児の体に覆いかぶさろうとしてきたのだ。
 ――狙うのは1点……。  それはネレスの右腕、ネレスの右腕に寄生している精神寄生虫《アストラルパラサイド》を"名も無き剣≠ナ貫く。
 ネレスの右腕が使い物にならなくなる可能性もあるが、死ぬよりはマシだろう。少なくともこのまま精神寄生虫《アストラルパラサイド》のいいように操られて死ぬよりはずっと。  スライムの体が薄く引き延ばされたことで、ネレスの体がはっきりとスライム越しに浮き出ている。狙うなら今だった。
「ウオオオオオオ!!」
 零児はネレスの右腕に向けて突進する。
 気分が高揚する。自分の力を過信するわけではない。しかし、今まで精神寄生虫《アストラルパラサイド》に乗っ取られた人間を救う力を、今自分が手にしている。半ば絶望的だと心のどこかで思っていたネレスの救出が現実のものとなりつつあるのだ。
 それらの要素が、零児を興奮させる。ネレスを救えるという思いが、全身の疲れを吹き飛ばす。
『ウアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
 途端、零児のものでもネレスのものでもない絶叫が響いた。
 精神寄生虫《アストラルパラサイド》だ。そして、ネレスの口から精神寄生虫《アストラルパラサイド》が顔を出した。その虫は、零児を食らおうと広げていたスライムで自身を包み込む。同時にネレスの体が解放され、ネレスと精神寄生虫《アストラルパラサイド》が完全な形で分断された。
「ネル!」
 零児は攻撃を中断し、ネレスの元へと駆け寄る。
 "名も無き剣≠床に置き、ネレスの体を抱きとめた。
「ネル! しっかりしろ! ネル!」
 鼓動が速い。自分が興奮していることが分かる。
 今までうつろだったネレスの目に力がこもる。その焦点が合い、零児をしっかりと見つめた。
「クロガネくん……」
「……ネル」
 零児は安堵のため息をついた。
「よかった……。動けるか?」
「……大丈夫……ごめんなさい。私……」
「何も、言うな」
 何かを言おうとしたネレスの言葉を遮る。
「お前は何も悪くないんだからさ」
「……ありがとう」
 零児の目をしっかりと見つめ、そしてはっきりとネレスはそう言った。
『ウウウウウウウオオオオオオオオオオオオオ!!』
『!!』
 零児とネレスは2人揃ってその雄叫びがした方向を見る。赤いスライムがグニャグニャと変形している。どんな形を取るつもりなのか、2人には検討もつかない。
『ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!! オ、オボレ! ジネ! ジヌンダギンニェンチョボ!!』
「完全に理性を失ったか……」
「クロガネくん……」
 ネレスは体を振るわせる。先ほどまで自分の体に寄生していたものが自分達を殺すと息巻いていたら恐怖を感じるのも仕方が無いことだろう。
「後は俺がやる。ネルは休んでいてくれ」
 "名も無き剣≠拾い上げて構える。もはや精神寄生虫《アストラルパラサイド》も、それによって作られた赤いスライムも敵ではない。
「スーッ……」
 深呼吸をする。そして、眼前の敵を捉える。
「さあ、もう少しだ。俺の体よ、俺の魔力よ! 俺の思うように動いてくれよ!」
 言って、突進する。
 スライムは先ほどと同じように体を津波のように変形させ零児に覆いかぶさろうとする。
「もう、その手は通じない!」
 足を止め、"名も無き剣≠まっすぐに構える。スライムは先ほどと同じように霧散し、魔力の流れとなって"名も無き剣≠ノ吸い込まれていく。
『ウ、アアアア! キ、キザバハ……イッダイ……?』
「……」
 零児はその問いを無視する。吸収された魔力は自信の魔力回復ではなく、"名も無き剣≠ノ蓄える。
「玉石、光弾……」
 自らのオリジナル魔術『光弾 赤星』発動のキーワードを唱える。手袋を媒体にして発動するその魔術は、自身の右手に魔力で出来た赤い光弾を球形にして発射する魔術だ。
 その赤い光弾が、"名も無き剣≠フ先端に作られる。
 二重媒体と呼ばれる特殊な魔術方式だ。主に攻撃系魔術の属性変更などで使われる。零児は"名も無き剣≠介して蓄えられた魔力を利用して魔術を発動させるつもりなのだ。
「赤星!」
 "名も無き剣≠振るい、その先端についていた光弾を発射する。
 光弾はスライムの体に侵入し、大爆発を起し火炎を撒き散らした。
『アアアアアアアアアアアアアアア!!』
『光弾 赤星』はスライムの肉体をバラバラに粉砕した。ゲル状になったスライムが辺りに飛び散る。もはや精神寄生虫《アストラルパラサイド》の体を包むスライムはほとんどなくなっていた。
「これで、しまいだ!」
 間髪入れず、零児は残ったスライムに刃を突き立てた。否、突き立てたのは精神寄生虫《アストラルパラサイド》そのものだった。
『コンナバガバアアアアアアアアアアアアアア!! ゴボボレアアアアアアアアアアアア!!』
 芋虫の姿をとっていた精神寄生虫《アストラルパラサイド》。その頭を突き刺すと同時に、ビクンビクンと幾度か跳ねた精神寄生虫《アストラルパラサイド》は、次第にその動きを止めて活動を停止した。
 スライムを操っていた魔力の源が命を絶ったことで、飛び散ったスライムもただの液体へと変化した。
「た、倒した……」
 どっとした疲れが全身を襲う。"名も無き剣≠杖にして、再び膝をついた。
 零児は今しがた自分が使った"名も無き剣≠見つめた。
 無限投影で作り出したものは基本的に維持しようとしなければ勝手に魔力となって霧散していく。しかし、この"名も無き剣≠ヘ違う。魔力切れ寸前の零児の状態で、勝手に霧散することなく、今もなお、その形を保っている。
 この剣は一体なんなのだろうか? そして、この剣のイメージが沸いたあの空間。
 疑問は山のようにある。しかし、考えたところでその答えは出そうにない。
 ――そうだ、そんなことより……。
 零児はネレスの元へと駆け寄った。ネレスは壁際で、背に自らの体を預けていた。
「立てるか?」
 "名も無き剣≠その場に突き刺し、ネレスに手を差し出す。まだ、終わりじゃない。シャロンを見つけ出さなければならない。そして、その場所を知っているのは、ネレスだけだ。
「クロガネくん……」
 どこかトロンとした瞳で零児を見つめるネレス。ネレスは零児の手を掴んだ。
「うわっ!」
 そして、そのまま零児を自分の元へと引き寄せ、零児を抱きしめた。
「ネ、ネル?」
 ネレスの柔らかな体が零児の体に押し付けられる。
 豊満な胸が当たり、ネレスの汗のにおいや体温を感じる。
 零児とて健康な男子だ。戸惑わざるを得ない。
「ごめんね……」
「え?」
 ネレスは泣いているようだった。なぜ、ネレスが涙をしなければならないのか、零児にはわからない。
「怖かったの……」
「……」
「良かった……クロガネくんを……殺すことにならなくて……本当に良かった……」
「ネル……」
 意識があるのに、自分の体が思うように動かないのはどんな気持ちなんだろう。それは精神寄生虫《アストラルパラサイド》に寄生された人間にしか分からない。
 きっと耐え難い苦痛であるに違いない。零児自身、それを経験していないからなんとも言えない。だからと言って寄生されたいとは思わないが。
 ネルはしばらくの間零児を抱きしめていた。

「あの部屋は一体なんだったんだ?」
「私もよく分からない。だけど、クロガネくんを殴り倒したとき、私の体を乗っ取った精神寄生虫《アストラルパラサイド》はシャロンちゃんをあの部屋に拘束したんだよ」
 それから数分して。零児とネレスはこの古城の最上階にいた。
 そこは、ネレスが精神寄生虫《アストラルパラサイド》に乗っ取られてから案内された階だ。周りにはガラスとカーテン。魔光で照らされた部屋は、光量の少なさも相まって薄暗かった。
 ネレスの話だと、そこにシャロンは囚われているらしい。
 何の目的で、どんな理由があってそこにシャロンが囚われていたのかは、乗っ取られたネレス自身もよく知らなかったようだ。
 目の前には鋼鉄の扉。零児の記憶が正しければ、その扉の先には闇が広がっているはずである。
「じゃあ、開けるぞ……」
 2人は緊張の面持ちで、目の前の鋼鉄の扉を開いた。
 開いた先にはやはり闇が広がっている。
「だれ?」
 扉を開けた途端、か細い少女の声が聞こえた。その声は零児もネレスも聞きなれた声だった。
「シャロン? いるのか?」
「レイジ?」
 零児は先の戦いで生み出した"名も無き剣=Aドレインズ・エアを取り出した。
 名前が無いのは何かと不便だということで、零児が勝手に命名した名前だ。その淡い光を頼りに、シャロンの姿を探す。
「シャロン!」
「レイジ!」
 その姿はすぐに見つかった。この部屋自体が対して広くなかったためだろう。
 ネレスが近づき、シャロンの体を拘束していた縄を零児が愛用しているソード・ブレイカーと言う短剣で切り裂き、シャロンを解放する。
 シャロンを解放して、3人はすぐさまその部屋から出た。
 アーネスカ達は今キャッスルプラントと戦っているはず。だからホールの1階で待とうというのが零児の考えだった。
 2人ともそれに同意し、少し休むことにした。
「少し寝させてもらってもいいか? 体力の限界だ……」
「私も寝たい……」
 零児とネレスは2人揃って、眠気に襲われた。まだ戦いが終わったわけではないから、のんきと言われれば反論は出来ない。しかし、この状況下で睡眠を欲するのはそれだけ疲労があるということに他ならない。 「じゃあ、私が周りを見てる」
 シャロンは自らそう志願する。
「私……この古城に来てから、誰の役にも立ってない……」
 シャロンはシャロンで今まで何も出来なかったことへの責任を感じているのだろう、その瞳は強い思いに満ちていた。
「分かった。何かあったらすぐに起してくれ」
「いいの? クロガネくん。シャロンちゃんに任せて……」
 ネレスはやけにあっさりとシャロンの申し出を了承する零児に異を唱える。
「シャロンに精神寄生虫《アストラルパラサイド》でも取り付いていない限り、裏切るなんてことは無いさ」
「そうかもしれないけど……」
「ネル」
 零児はネレスの瞳をまっすぐに見据えて言った。
「こういう状況なんだ。シャロンを信頼しようぜ」
「クロガネくんがそういうなら……分かった」
「じゃあ、シャロン。よろしく頼むぜ」
「……(コクン)」
 シャロンははっきり頷きで帰した。
 零児とネレスはホールの一角にすわり、睡眠を取り始めた。
第24話 猛攻のキャッスルプラント
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